ARAI UD Workshop

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PROJECT

みんなのはさみmimi


はさみは握力がないと使えない。
それでは「握力の無いユーザーの皆さんは
一体どうしているんだろう?」という
素朴な疑問からこのプロジェクトは始まりました。
握力のないユーザー(頸髄損傷C6・7)と
対話をすると、驚くことにはさみを
使っているといいます。
定規やカッターを持てないため、
身近にある切る道具ははさみしかなかったのです。
さらに観察をしてみると、とても容易でない
使い方をしていたのでした。
ここからは、握力のないユーザーとともに、
ユニバーサルなはさみを開発した過程を
ご覧ください。


握力がないと、カッターを握り
定規をあてがって切ることができないため、
はさみの指リングに右手と左手の親指を入れて
両手ではさみを開閉して使っていることに、
まず驚きました。
さらに、切実な状況に出会います。


人が近くにいれば菓子の袋を
開けてもらうのですが、一人の時は袋を
つかんで開封できないため、
右手の親指をリングに通し、もう一方の
リングを口にくわえて、左手の指の間に袋を
ひっかけて、なんとかはさみを使って
袋を切っていたのです。
握力のないユーザーとともに
ユニバーサルなはさみをデザインするという、
予想もしない目標が生まれました。


二枚の刃が連結して閉じる
構造の和鋏がヒントに。
そして洋バサミのグリップを閉じる
構造の検討を重ねます。
それをテーブル上で自立させることで、
握るのではなく上から下に押して
切ることが可能になるのではないか?

機能モデルを作り、ユーザーに使ってもらい
テストします。
予想以上に、手軽に使うことができる
デザイン原型が生まれました。

細部の形状を追求します。


樹脂を変え、グリップの弾性の
比較検討を繰り返して、
みんなのはさみmimiが完成しました。
このはさみは、握力のないユーザーの参加が
なければ、生まれることがなかったといって
良いでしょう。