ARAI UD Workshop

MENU
  • TOP

    ようこそ

  • ABOUT

    ARAI UD Workshopのデザインの現場

  • PROJECT

    デザインの進め方

  • CONTACT

    お問い合わせ

PROJECT

日々のスプーンとフォーク TASTE


箸に代るスプーンとフォークとは?
リハビリ病院からの依頼です。
リュウマチ・脳卒中・筋ジストロフィー・頸髄損傷などの入院患者の方々の食事に何度も立ち合い、自然と対話が生まれるようになるくらい時間をかけて…。
そこには、
驚くほどのデザインの課題と、
使い勝手の可能性が潜んでいました。


図は箸が使えないためスプーンやフォークを使う方々の観察と対話から見えてきた、デザインの課題です。
グリップの部分と先の部分に分けると、それぞれに数多くの必要となる新たな機能が潜在していました。


思えば、欧米の食のスタイルの用具であるスプーンとフォークが日本の日々の食事にジャストな訳がない…。
和洋中華、麺類、日々の食事には実に多様な料理がならびます。丸印は、特に注目すべき条件です。
そして、日々の器も皿から鉢、椀まで多種多様、茶碗や汁椀は持って使います。椀が持てず、箸が使えない体の機能で日々の食事を楽しめるよう…。


ご飯やおかずをすくいやすく、口へ入れやすいスプーンの大きさと形を入院中の皆さんと実際に使いながら検討した機能モデル。らっきょう形でくぼみが前方にある形が確認されました。

そばやうどん、ラーメンやそーめんがすくいやすく、口へ入れやすい形を追求。

軽くするため、ステンレスの薄板を素材にしてフォークの機能モデルを制作。デリケートな先の形状も追求

満足のいく機能と形に向けて、妥協なく追求した手作りのモデル。
脳卒中片麻痺、リュウマチ、パーキンソン氏病、筋ジストロフィー、頸髄損傷など多くの入院患者の皆さんと検討を確認をおこなった。

箸の長さの柄で先が小ぶりの、日々の食事のメニューに対応できる
日本の食事を楽しむスプーンとフォークが完成。

持つ力が弱いかたの指がかかりやすい柄を備えたタイプ。長さがあっても軽いスプーンとフォークにするため、薄いステンレスを使ったことでこの形が可能となりました。


手の機能に制限のある様々な方が、日々の食事を楽しめる箸に変わるスプーンとフォークが完成です。さらに、握力のない頸髄損傷の方が指の間に引っ掛けて使うという、誰も予想しなかった結果も生まれ、驚きと喜びが湧き上がりました。(左下2枚の写真)